第4回「目の見えない人・見えにくい人の仕事サロン」

平成25年5月26日
第1部講演   「仕事を継続させるために工夫していること」
   講師:的場 孝至氏(会社員/事務職、NPO法人 タートル会員)
第2部 自由懇談・情報交換

 第4回目となる仕事サロンは、
大手民間企業に10数年勤務されている的場孝至(まとば たかし)さんをお迎えしてお話を伺いました。
元々ロービジョンだった的場さんは、入社後視力が低下し、
現在は全盲に近い状態です。
見え方が変わっていく中で、どんなことを感じ、どんなふうに工夫してこられたのか、
今後どのようなサポートがあるとよいのか等について、お話しいただきました。

★的場さんが仕事をする上で大切にしていること、課題としているポイントは・・・


@仕事を継続させるためには、担当の仕事を期日までに正確にすること。
時間がかかったとしても諦めず最後までやりきることで、
社内の理解や信頼関係につながります。
「見えないからできない」と断るのは簡単ですが、
断ってしまうと仕事は増えませんし、信頼関係はできません。
できるようになるために、自分なりの工夫が必要になります。

A現在の自分の障害の状況をしっかりと受けとめ、少し先のことを考えること。
例えば、今より視力が低下したことを想定して、
必要な訓練や講習
(白杖を使っての歩行指導、音声でのパソコン操作方法など)を受けておくことで、
もしそのような状況になった時でも、焦らずに対応ができると思います。
安全な通勤とパソコン操作ができることは、仕事の継続には必要となります。

参加者の声

★講師として参加して

春のきららの交流会に発参加した際、
なぜかいきなり仕事サロンの講師の話となりました。
学生時代を過ごした京都、訓練を受けた京都ライトハウスに
僕は久しぶりに出向くことになりました。
サロンでは、参加者のみなさんに何かの参考になればいいなぁという思いから、
仕事を通じて自身が経験し、感じていることを話しました。
職場環境、障害の状況はそれぞれ異なりますが、
このような企画や情報交換の場は大切だと思います。
この仕事サロンに参加したことで、
自身を振り返る良い機会にもなりました。
ありがとうございました。

★仕事サロンで感銘を受けたこと

〜誠実な仕事への姿勢が人のつながりを深めること〜
私は前回の仕事サロンに引き続いての参加となりました。
今回は、学生時代の進路相談の話も交えながら、
的場さんのお話しを聞かせていただくことが出来ました。
仕事内容や状況の変化に柔軟に対応しつつ
職場における信頼を深めていかれたエピソードの数々は、
人と人との繋がりを大切にされてきた的場さんだからこそ生まれたのだと思います。
的場さんはじめ、スタッフの方々、
そして参加された皆様、ありがとうございました。

★今回の仕事サロンで学んだこと 

〜自分にできる方法を見出すためのトライが大切〜
仕事サロンに参加された皆様、お疲れさまでした。
また、今回お話いただいた的場孝至さん、貴重なお話をありがとうございました。
第4回目のサロンには、20名を越える方々にご参加いただきました。
的場さんには、幼少期の教育環境から、
就職活動、そして現在の職場のこと等、
広くお話いただきました。
「少し先の自分を想像して、今、どう動くべきかを考える」
現状をしっかりととらえ、少し先を見据えること、
難しいことですが、
とても大事なことだなと、改めて感じました。
また、仕事を継続させるために、
与えられた仕事は正確に・きちんとやりきること。
時間はかかるけれど、最後までやりきる。
その結果、信頼や理解は生まれてくる。
そして、継続させることができる。
すべてが繋がっているのだと思います。
視覚に障害があるから、できない!のではなく、
いかに工夫し、力を注ぎ、自分にできる方法を見いだすことができるか、
仕事に限らず、日常生活においても身に付けたいことです。
的場さん、有意義な時間をありがとうございました。
次回の仕事サロンは、8月25日(日)です。
ぜひ、皆様ご参加ください。