第9回仕事サロン


日時 平成26年8月31日 日曜日 
参加者 32名(きらら参加者11名)
会場:京都ライトハウス 1階 和室
内容:講演「働く中で自分をどう活かしていくか〜その工夫と難しさ〜」
講師 保坂教子氏(元ヘルスキーパー)
   交流会

主催 公益社団法人 京都府視覚障害者協会 職業部
共催 日本網膜色素変性症協会(JRPS) 京都支部
弱視者問題研究会(関西地域)、きららの会
京都ライトハウス鳥居寮訓練修了者の会「フェニックス会」

<講師・保坂教子氏プロフィール>
  青森県出身。22歳のとき、交通事故により失明。
  三療資格取得後、京都府立盲学校研究部課程を経て京都市内に就職。
  失明前の経験職種:エステティックサロンでエステティシャン、大手自動車会社で販売・事務、記入会社で事務。
  失明後の経験職種:治療院で三療施術、整形外科でマッサージとリハビリ、企業でヘルスキーパー、京視協でヘルスキーパー普及支援事業参加。

第9回目となる仕事サロンは、ヘルスキーパー職の保坂教子氏をお迎えして、
仕事をする上での工夫や仕事の幅の広げ方についてお話頂きました。
見えていた時と見えなくなってからの働き方の中で共通することとして
受け身ではなく自分からすすんでコミュニケーションをとること、
周りの理解を深めていけるようにする工夫として、
大きな声で笑顔とともにあいさつをされていることなど、
体験談を通してお話頂きました。
企業の中では通例である毎朝の身だしなみチェックも、
職場のスタッフ間で行い、いい意味での緊張感が生まれていたそうです。
自分では気が付かないしみなどの身だしなみミスにも注意を払うことができ、
今も大切な習慣とされているそうです。
また、治療院・リハビリ・ヘルスキーパーと
様々な分野で三療のスキルを重ねられてきました。
ヘルスキーパー普及支援事業の中で働く今、将来の夢についても語って頂きました。
もっとも印象的なのは
「次に続く後輩のために、働く場所を切り出していきたい」という姿勢でした。
常に挑戦してないと楽しくないという言葉に
強い信念と仕事に対する誇りを感じました。
諸先輩方が自分に伝えて下さったことへの感謝が原動力となり、
次に続く人のための場所を作りたいという使命感が生まれたそうです。
いつも現状に満足することなく、
新たな目標を設定し行動することをモットーとされている姿にふれることができました。
働く女性として、家庭との両立についても参加者とやりとりしながら、
双方向で情報や思いを分かち合えるひとときもありました。
次へ、前へ、
この強い保坂さんの気迫に満ちた目線が、
参加者のハートに突き刺さるかのように響き、
今の自分の歩く道を次に・・・というコメントや発想が生まれる中での閉会となりました。
仕事への不安、継続、就活、模索中と
様々な状況や心模様が参加者ぞれぞれの課題としてあります。
当事者だけでなく、福祉。医療、教育の分野からの参加もあり、
連携の必要な期間が仕事サロンを通して
顔の見える関係としてつながっていくことへの期待も感じました。

次回、第10回仕事サロンは12月21日を予定しています。

参加者の声


★次に続く人のことを考え動くこと、仕事の目標を再認識

保坂さんのパラフルさ、前向きさに力をいただきました。
正直なところ、三療のこと、ヘルスキーパーの仕事については、
知らないことが多かったです。
今回のサロンに参加して、興味を持つことができました。
また、たくさんの方の参加から、
みなさんの日々の活動が形になっているのだと感じました。
出身地の病院の視能訓練士の方と挨拶程度ですがお話できたことも嬉しかったです。
今日の仕事サロン参加で、私自身の仕事での目標が再認識できた気がします。
一つは介護の仕事が大好きなので、できる限り続けること。
それに必要なスキルを身につけることです。
もう一つは、保坂さんが話されていた、次に続く人のことを考え動くこと。
これは、ずっと私の心の奥にしまっていたものかもしれません。
介護の分野で、見えにくい人、見えない人が働く術や工夫はないか、もっと積極的に考えてみようと思います。
仕事としての介護職と職場のあり方、
それとは別で親、兄妹、配偶者など身近な生活の中での介護、
介護は生きていく上で、一度は直面すると思うので、生活の中での介護のあり方、両方をみつめてみたいと強く思いました。
それがいつか、介護福祉を志す方の役に立てることを、大きな目標としたいと思いました。
今日は本当に前向きになれ、仕事、家事、育児、訓練への力をいただきました。
ありがとうございます。

★次につなげるためにがんばりたい!

保坂さんの体験や皆さんの仕事に対する気持ちをお聞きして、
私自身もヘルスキーパー普及事業の意味を再認識するよい機会になりました。
視覚障害をかかえながら職につくことの難しさ。
今まであまり苦労もせず、フワ〜っと楽しく仕事を続けてきた私です。
でも、もっと次につなげる努力を私自身がしていかなければいけない、と実感しています。
更に一人の母親として、働くママさん達のパワーを私の力に代えて、
また私自身が少しでもお手本になれるように、
「頑張って仕事を続けていきたい」と思っています。
貴重な時間をありがとうございました。

★初参加 医療から就労へのかけはしに

初参加でしたが、仕事関係のサロンは生の声が聞けるのでやはり重要だと肌で感じました。
医療から就労へのかけはしが大切なのに、
就労問題まで扱う眼科の医療関係者は少ないのが現実ですね。
視能訓練士の私も経験はほとんどなく、過去に盲学校を案内したことがあるぐらいです。
サロンに参加したことで、悩みを聞いてもらえる受け皿があることを実感できました。
今後、該当の患者さまにお伝えすることができます。
仕事サロンに参加して、本当に貴重な経験ができました
大変感謝しております。
また参加させて頂ければと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願い致します。

★これまでの自分、今の自分、これからの自分、様々な自分を思い描きながら

今回は、ヘルスキーパーさんのお話ということで、
皆さんの関心もいつも以上に高かったのか、多数の参加でした。
これまでの自分、今の自分、これからの自分、様々な自分を思い描きながら、お話を聞いていました。
自分の持ち場で、やれることをやるのは、もちろんですが、次へつながる道を開拓し、
後輩にその道をつなげていくことも、大切なことであると改めて思いました。
そして、目標を掲げ努力することも大事ですね。
サロンを通して、いろいろな立場の方々な想いに触れることができよかったです。
次回は是非、ランチ会から参加したいと思います。
ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします!

★きららランチ会から盛り上がり、サロンでは多くの共感が!

ランチ会では初めてお会いする方やゆっくりお話するチャンスのなかった方とも
交流を持つことができてとても嬉しかったです。
かなり盛り上がったので、もう少し時間を早めても良いかもと思いました。
今回の仕事サロンはヘルスキーパー職ということで注目の高さを感じました。
私は開業という道を選択しましたが、
社会との関わりや仕事に対する考え方・社会からの見られ方など
基本的な概念は共通するものが多く、大変共感しました。
どの職業を選択するにしても強い信念を持って真摯に取り組む姿勢が大切だと
改めて感じました。
そうすることで周囲の理解や地域とのコミュニケーションも促進されるのだと思います。
そして、何事においても前向きな肉食女子の小坂さんにとても魅力を感じました。
また機会があれば色々なお話を伺いたいです。
その後の懇親会も大変楽しく有意義な時間をいただきました。
次回の仕事サロンも楽しみにしています。
どうもありがとうございました。